日本の教育で専門家が発言していることは、データによって示された客観的なエビデンスがないのではないか教育の分野でもエビデンスが大事、という話
アメリカなどの国でランダム化比較試験などの比較的信頼性の高い方法によって得られた教育の知見を紹介している(日本ではこういう実験を行ったりデータを得るのが難しい。アメリカではエビデンスに基づく教育が重視されているらしい)
いくつか面白かった話を列挙しておく
- 試験前になると学生の親戚の急死が増える
- テストの結果に褒美を与えるよりも、本を読んだら褒美を与えるほうが学力が上がる(インプットに報酬を与えたほうがよい)
- 教育投資の費用対効果は幼い時のほうが高い
- 「頭がいいね」と褒めるよりも「がんばったね」と褒める方がよい
- 自尊心をあげようとしても学力は上がらない(自尊心と学力に相関はあるが、学力が高いから自尊心が上がるという因果関係)
- 少人数学級に効果はあるが、コストに見合うかは怪しい
- 友達や先生が与える影響は大きい
- 似た学力の生徒をまとめたほうが全体的に学力が上がる、学力の高い友人は学力の低い学生に悪影響を与える
- 県別の学力テストで順位が話題になっているが、私立が入っていなかったり親の年収や学歴などの影響が取り除かれていないので、単純に比較して意味があるものではない
- 平等主義的な教育を受けた人は「成功していない人は努力をせずに怠けているからだ」と考えてしまうようになる
- 作者: 中室牧子
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